2026年8月17日に、エンタープライズアジャイル勉強会という続き物の企画で、情報処理学会LIP研究グループとして「アジャイル開発トラブルの回避の仕方〜良くある事例から学ぶ」という題目で、講演会を行いました。
https://easg.connpass.com/event/398232
ユーザー側のマネジメント層の参加が多かったようです。「アジャイルの各登場人物の役割」と「アジャイルのプロセス」を契約に盛り込んで、プロジェクトをメンバーが主体的に運営でき、かつ、トラブル発生時には解決指針として機能する、というLIP版標準契約の特徴をご説明しました。そのためには、契約を営業に任せきりにしないで、開発者も我がこととして理解し、契約の条文作りにも参加すべき、と解説しました。
会場(ウェブ)からの意見としては、「そうは言っても、慣れない契約書だと法務コストがかかる」といった意見も出ました。その通りで、あまり目にしたことのない契約は法務部や顧問弁護士にとっても処理に時間とコストが掛かります。開発者が条文作りに参加すると言っても、慣れない法律文書に心理的ハードルを感じる方も多いと思います。そのあたりをどのように解決するのかも考えないといけないと思いました。1つの解決策としては、最近はAIが法的文書も考えてくれますから、開発者の言葉で盛り込みたいことをAIに条文化してもらう、という方策もありうると思います。また、LIP版標準契約は、契約条文として役割分担とプロセスを規定しますが、IPA版標準契約は、開発指針を別に作成し、それに準拠すると宣言することで、アジャイルの役割分担や開発プロセスをソフトロー的に契約関係に取り込みます。この方法の方が開発者にとっては取り組みやすい面もあるかもしれません。
https://www.ipa.go.jp/digital/model/agile20200331.html
ひな形はしょせんひな形で、現実には開発の事案ごとに、役割分担やプロセスが異なると思いますので、使い易いひな形を選択して、かつ、ひな形をアダプトして使うことが肝要です。
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